戸愚呂弟は『幽遊白書』の中で中盤から始まった暗黒武術会編のラスボス的な存在です。
その強すぎる能力とカリスマ性を感じさせるキャラクターで『幽遊白書』の中でもかなり人気が高い登場人物ですよね。
幽助たちの前に立ちはだかる脅威でしたが妖怪ランクはなんと「B級上位」。S級妖怪が存在する中で、圧倒的な力を持っているはずの戸愚呂弟はB級だったのです。
これを聞いては「あんなに強かった戸愚呂弟がB級なんておかしい」という気持ちになった人も多かったでしょう。
戸愚呂弟はなぜB級上位だったのでしょうか?理由や強さのインフレについて解説します。
【幽遊白書】戸愚呂がB級はおかしい?強すぎる設定が生んだ矛盾
戸愚呂がB級上位とランク付けされたことには、多くの読者が「おかしい」と疑問に感じていると思います。
まずは、戸愚呂がB級なのかおかしいと言われる理由を深堀りします。強すぎる設定が生んだ矛盾がありました。
- 修行期間と強さの矛盾
- 飛影と蔵馬の評価
- 暗黒武術会での強さ描写
修行期間と強さの矛盾
戸愚呂がB級なのはおかしいと言われる理由1つ目は「修行期間と強さの矛盾」です。
戸愚呂が暗黒武術会に出場したのは、幽助たちと対戦したときが初めてではありません。前回出場したあと50年もの長い期間をかけて厳しい修行を積みました。
その結果、強すぎると言われるくらいのパワーを得たわけですがランクはB級上位止まり。
50年の修行により妖怪として非常に高い力を手に入れたとされていますが、それでもB級までしかなれていません。
一方で、同じく暗黒武術会編で登場した鈴木や陣、凍矢などは玄海のもとで1年間修行しただけでS級妖怪になったことが魔界統一トーナメントを前に判明しました。
鈴木や陣たちのもともとのランクは明確に描かれていませんが、B級の戸愚呂と比較すれば、C級妖怪だったと推測できます。
つまり50年修行した戸愚呂はB級なのに、1年修行した鈴木や陣はS級まで一気に3ランクアップしているのです。
戸愚呂の成長スピードが遅すぎる雑魚なのか、玄海の教え方が上手かったのかは不明ですが、比較すると、50年かけた戸愚呂がB級止まりなのはおかしいと言われても仕方ないでしょう。
修行の成果が正当に評価されていないように見えるため多くのファンが違和感を覚えています。
飛影と蔵馬の評価
戸愚呂がB級なのはおかしいと言われる理由2つ目は「飛影と蔵馬の評価」です。
飛影と蔵馬は魔界にいたころはA級妖怪だったことが明かされています。その後事情があって人間界に向かったため暗黒武術会編のときはC級だったとされています。
そんな飛影と蔵馬が戸愚呂の強さについて以下のように発言していました。
化け物め
なんて妖力だ
元A級妖怪だった2人が驚嘆するほどの強すぎる力を持つ戸愚呂がB級とされるのは確かにおかしいですよね。
明らかに自分よりはるかに強い相手に言うセリフにしか聞こえないため、戸愚呂はS級レベルのように感じているような言い方で矛盾を感じます。
暗黒武術会での強さ描写
戸愚呂がB級なのはおかしいと言われる理由2つ目は「暗黒武術会での強さ描写」です。
暗黒武術会における戸愚呂の強すぎる描写は圧倒的でした。
特に「100%中の100%」の形態では、観客や他のキャラクターたちを圧倒し恐怖させるほどの力を発揮しています。
これほどの強さを見せたキャラクターがB級という評価を受けている点は、作品内での描写と一致していないようにも思えます。
多くの読者がその強さに魅了されただけに、B級上位という設定を明かされたときには拍子抜けした方もいるようです。
戸愚呂はなぜB級?理由は強さのインフレやA級の基準
戸愚呂弟はなぜB級とされてるのでしょうか?その理由については、霊界のランク付けの基準や戸愚呂自身の力が関係しています。
- A級やS級の基準
- 戸愚呂100%の強さが限定的
- 仙水編で強さがインフレ
A級やS級の基準
戸愚呂弟はなぜB級なのか1つ目の理由は「A級やS級の基準」です。
幽遊白書の世界では、霊界が妖怪の強さをランク付けしています。このランク付けの目的は妖怪の危険度を把握して効率的に対処するためです。
例えば霊界特防隊が全力で対抗できるのがA級、全力でも勝てないのがS級とされています。
このランク付けは、妖怪の「絶対的な強さ」を示すものではなく「霊界がどれだけ対応可能か」を基準にした相対的な評価です。
そのため、戸愚呂がB級とされたのも霊界が対処可能だと判断したからということになります。
戸愚呂の強さはコエンマが実際に目の前で確認しています。コエンマは霊界の長である閻魔大王の息子なので、A級やS級の妖怪までしっかり認知しています。
妖怪を知り尽くしたコエンマが100%中の100%になった戸愚呂の強さを見ています。
その上で、B級と判断しているので霊界としては脅威となる存在ではないと判断したのでしょう。
戸愚呂100%の強さが限定的
戸愚呂弟はなぜB級なのか2つ目の理由は「戸愚呂100%の強さが限定的」だからです。
戸愚呂弟の特徴的な能力といえば、「100%中の100%」の形態です。この形態では圧倒的な力を発揮しますが、同時に大きな弱点も抱えています。
100%の状態になった戸愚呂は「ひどくハラが減る」という設定のため、全力を発揮するためには周囲の生命力を吸収する必要があります。
つまり、周囲に吸い込める人がいなければ100%を維持できたいという致命的な弱点があるんです。
幽助と戦った暗黒武術会の舞台では大勢の観客がいたので吸収し放題でしたが、人がいなければすぐにパワーダウンしてしまいます。
フルで戦える状況が限定されているので、場所を選ばないと雑魚になってしまう可能性があります。対処しやすいため戸愚呂はB級にランク付けされたと言えます。
仙水編で強さがインフレ
戸愚呂弟はなぜB級なのか3つ目の理由は「仙水による強さのインフレ」です。
『幽遊白書』に限らず少年バトル漫画では強さがインフレしていくのは宿命のようなものです。
インフレものの代表とも言える『ドラゴンボール』ではピッコロやベジータなどの強敵ですらインフレにより相対的に弱くなっています。
戸愚呂も物語が進むにつれて、強さのインフレにより評価が変わったキャラクターの一人です。
幽遊白書では暗黒武術会編が終わってから一気に強さがインフレしました。
仙水編以降はA級やS級妖怪が当たり前のように次々と登場したことで、戸愚呂の強さが相対的に弱くなったのです。
このインフレの流れは少年漫画によく見られる展開といえます。幽助たち主人公が成長する中で、敵キャラクターもさらに強力にならざるを得ないためです。
雷禅や軀、黄泉といったS級妖怪の強さは戸愚呂の力をはるかに凌駕するものとして描かれています。そのため、戸愚呂がB級とされる評価が相対的に納得しやすくなった面もあります。
ただ、幽助が短期間でS級妖怪と肩を並べるほどの成長を遂げる一方で、戸愚呂の力が「過去のもの」となってしまうのは、過去の敵として固定化してしまったようにも感じられます。
戸愚呂弟が強くなって再登場することを期待する声もありましたが、結局登場しませんでしたね。
【幽遊白書】戸愚呂がB級はおかしい?なぜ弱いのか理由:まとめ
『幽遊白書』の戸愚呂弟がB級はおかしいと言われる理由と、なぜB級上位止まりなのか解説しました。
- 50年修行したわりに成長スピードが遅い
- 元A級の飛影と蔵馬が脅威を感じていた
- 暗黒武術会では強すぎるラスボスだった
- A級やS級の基準は霊界が対処可能かどうか
- 周囲に雑魚がいないと戸愚呂100%を維持できない
- 仙水編で強さがインフレしてA級以上が当たり前になった
戸愚呂弟がB級上位で止まった理由はその力が特定の状況下でしか十分に発揮されないことや霊界が対処可能なこと。
さらに物語上、後に登場した仙水やS級妖怪のインフレにより、戸愚呂を相対的に雑魚に見せるためB級にする必要があったと考えられます。